アゼルバイジャンからウガンダまで…6ヶ月にも及ぶ食の多様性イベントが間もなくスタートします!

2020/10/7

農場/工場訪問、カンファレンス、教育アクティビティ、テイスト・ワークショップ、等々・・世界中のスローフードのネットワークが、健康と安全の条件が許す限り、各大陸で精力的にイベントを企画しています。

天然資源の利用方法や、消費者のお買い物の選択一つ一つが、今まさに世界中が経験している大きな危機を解決することに、直結します。持続可能な食べ物の生産者と、それを支持する心ある消費者の国際的なコミュニティは、より一層強化されるべき時です。

以下に、現在確定している、世界中からのテッラマードレイベントを紹介します。毎日どこかで何かが起こっているかも?

– 10月8日に、イギリスで「Terra Madre Fringe」が開催されます。5日間のデジタルイベントを通して、英国のレストランビジネスとフードサプライチェーンがCOVID-19にどのように対応しているか、持続可能なムール貝養殖に焦点を当てたフォーラム、バーチャル農場訪問やドキュメンタリー映画『When Tomatoes Met Wagner』などの映画の上映会を行います。シェフたちは、ショークッキングイベントや、討論会を開催します。また、味の箱船製品、シャルキュトリー、乳製品、サイダーなどのお家にいながらにして参加できるテイストワークショップも行われます。

スローフード・ドイツもまた、10月8日からテッラ・マードレのプログラムを開始します。テッラ・マードレの6ヶ月間は、「考える」「味わう」「世界を変える」という3つのテーマに沿ってイベントが開催されます。11月は生物多様性に焦点を当て、味の箱船製品のワークショップやテイスティングを行います。

キューバでは、ハバナのアグロエコロジーの祭典「Finca la China in Havana」の一環として、プラシガ・スローフード・コミュニティが主催するイベントがあります。10月7日(水)には、「味の箱船」の果物や野菜を含む農産物を使ったマーケットが開かれ、健康・アグロエコロジー・ガストロノミーについての教育アクティビティが行われます。8日(木)にはカンファレンスが開催され、食と健康、特にキューバ人の食生活、衛生、食品の保存についての専門家が登壇します。

テッラ・マードレ・フィリピンは、10月13日から始まる6ヶ月間のイベントプログラムを開始します。食料主権、再生農業、地域コミュニティ、特にここ数ヶ月の危機で食料へのアクセスが悪化した大都市の最貧層を支援する必要性に焦点を当てた数多くのカンファレンスがオンライン・オフライン両輪で行われます。

ブラジルでは、11月17日から22日まで、第3回テッラ・マードレ・ブラジルが開催されます。農家、活動家、漁師、チーズメーカー、養蜂家、キロンボラ(元奴隷の子孫やコミュニティのメンバー)、先住民、ジャーナリスト、料理人たちなど、幅広いスローフードネットワークが集います。大きく掲げるテーマは三つで、「食文化」「生物多様性」「食育」です。子供向けのワークショップやガイド付き試食会といった食育プログラムが展開されたり、シェフたちが「味の箱船」製品を使ったクッキングデモをしたりします。他にも、映画やドキュメンタリーの上映、討論会、スローフード・コミュニティのマッピング、家族経営の農場や地理的表示についての討論、マニオカでん粉の生産を描いたインスタレーションなど、芸術的・文化的なプログラムも盛りだくさんです。

– 生物多様性を保護することは、食糧安全保障を強化し、食糧主権を守ることを意味します。ウガンダでは、これをテーマに「Food Wise 2020」が11月27日に企画されています。これは、食文化を促進し、おいしい、きれい、ただしい食のために働く小規模生産者を称える機会であり、もちろん、私たちの食と気候危機との密接な関係について考える機会でもあります。テッラ・マードレ・キッチンや試食会、講演会、討論会、ワークショップなど、伝統的な食の遺産を様々な方法で探求します。

生物多様性をテーマにした、味の箱船・プレシディオ・スローフード クックスアライアンス、アースマーケット、学校菜園などのスローフードプロジェクトをテーマにしたイベントが世界各地で開催されます。

– セルビアの10月3-4日のCrvena Ranka Daysでは、スローフード・プレシディオの地元のグラッパ、Gledić rakijaを作るのに使われるプラム”Red Ranka”を特集します。生産者や農学者はこの2日間のイベントに参加し、この品種や他の伝統品種を研究し、小規模な家族経営の農業の存続についてや、生物多様性を保護し、食料システムが気候危機に与える影響を軽減するにはどうすべきか、などをテーマに討論などを行います。

ポーランドでは、10月8日にクラクフでスローフード・マスタークラス・ディナーが開催されます。11月6日から11日まで、スロウフード中央ポーランド料理遺産推進コミュニティは、ロッジで開催されるDobrego Smaku Lodzkie Festivalの一環として、参加者が地元の味の箱船の製品を数々レストランのメニューで体感できるツアー型試食会を開催します。

コロンビアでは、国内唯一のオーガニックマーケットであるカリ市でのマーケットがスローフード・アースマーケットに正式に移行します。70以上の農家や農業生態系の生産者を代表する30の業者が集まるマーケットで、誕生17周年の10月17日には、イベントが開催されます。

– 10月18日、トルコはタルソスの旧クバト・パサ・マドラサ・コーラン学校の校舎で第4回目のアースマーケットを開催します。期間中は、市場に参加している60の業者の農産物を使ったストリートフードを楽しむことができます。

スイスでは、10月24日にチューリッヒにてスローフード・マーケットが開催されます。スローフードネットワークの生産者、スローワインガイドの著者、クックスアライアンスのチューリッヒのメンバーが、プレシディオと味の箱船を使ったメニューを提供します。

スローフード・オーストリアは、テッラ・マードレの6ヶ月間に30以上のイベントを開催し、味の箱船、スローフード・プレシディオ、アース・マーケット、スローフード・トラベルなどのテーマを扱います。

ルーマニアでは、スローフード・トゥルグ ムレシュが、アルメニア人コミュニティの食材を使ったディナーや、ルーマニア、ハンガリー、サクソン、アルメニア、ユダヤの美食の伝統を融合させたイベントなど、多くのプログラムを企画しています。また、トゥルグ ムレシュの保育園で、ルーマニア初のスローフード学校菜園が開設する予定です。

アゼルバイジャンでは、EUが資金を提供し、スローフードがコーディネートした「大コーカサス山脈におけるコミュニティ・ベースのバリューチェーン強化(COVCHEG)」プロジェクトの一環として、多くのイベントが開催されています。地元の食文化を再発見するテイストワークショップや、味の箱船食材を活用した「スローな」クッキングショー、また、待望のクックスアライアンスの正式な発足も控えています。

スペイン初のテッラ・マードレのイベントは、10月10日から12日までカスティエルファビブで開催される「Rebato: the first toll for rural areas」です。エル・リンコン生物多様性コンヴィヴィヴィウムなどが主催するフェスティバルで、リンコン・デ・アデムズ地方の小さな町で、文化的、社会的、美食的な横断的な体験を提供します。

チリでは、Slow Food Crianza Ecológica Valle del ItataとExtender Fronteras Alimentarias del Bio Communitiesが10月16日の世界食糧デーを記念して、食料主権の重要性とチリ憲法の改正を訴えるイベントを開催します。

– また10月16日には、マケドニアのスローフード・ヴォドノ・コンソーシアムが、地元政府とFAOの後援のもと、スコピエで初のフード・フィルム・フェスティバルを開催します。この映画祭では、地元の生産者、コミュニティにおける彼らの役割、伝統と生物多様性の保護者として彼らを支援する機関のしくみに焦点を当てます。

メキシコでは、10月20日にラ・レズレシオンの補助地区で、スローフードアカデミア・プエブラ・コミュニティがプエブラ大学(UPAEP)と共同で開催した「What Our Earth Gives Us」と題した会議で、トウモロコシの生物多様性を祝います。

Slow Food Nipponは11月21日と22日に神戸で「We Feed The Planet」を開催します。日本版テッラ・マードレという位置づけであるこのイベントでは、会議やワークショップを通じて、種、持続可能な漁業、畜産農家の動物福祉などをテーマにしています。

Slow Food Liveは、食の持続可能性についての意識を高めるために、アメリカのソーシャルメディア上で行われるトレーニングや講演会のシリーズです。先住民族のコミュニティと、先住民族のテッラ・マードレネットワークの料理人によるアメリカ先住民族の美食文化の復興から始まります。その他のテーマとしては、社会正義、料理人と生産者の提携、水資源を守るための政策などがあります。

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