堂上蜂屋柿
2007/3/20
認定日 | アルカ:2007年3月20日 プレシディオ:なし |
生産地 | 岐阜県美濃加茂市 | 生産者 | 美濃加茂市堂上蜂屋柿振興会 | 生産量 | 4000箱 | 生産時期 | 12月中旬~翌年1月 | 主な調理方法 | そのまま | 問合せ先 | 美濃加茂市役所農政課 |
食材の特徴
冬場の晴天率が高く、乾風が吹きおろす岐阜県美濃加茂市蜂屋町を原産として、平安時代から伝わる伝統的技法により加工される干し柿。保存木から接木した柿の木から収穫されるものだけを美濃加茂市堂上蜂屋柿振興会会員がすべて手作業で40日間かけて加工を行っている。出来上がった干し柿は見事な大きさ、品の良い甘味、あめ色の美しさやなめらかな食感などから、干し柿の極上品といわれており、高いものでは一個千円を超える。
歴史的、食文化的位置づけ
平安時代の中期、美濃国から朝廷に干し柿が届いたとの礼状が「明衡往来」に載ってから、鎌倉時代に源頼朝から「蜂蜜のように甘い柿」であると村と柿に蜂屋の名前を賜ったといわれている。その後天皇や信長、秀吉、家康などの時の権力者に献上されてきた堂上蜂屋柿。堂上とは朝廷への昇段を許された格を持つことで、朝廷へ献上されていたことから「堂上蜂屋柿」と呼ばれるようになった。食べ方はへたを取り、手で少しずつ裂きながら、お茶うけなどとして食べる。
生産を取り巻く状況
生柿の生産にほぼ1年を要し、加工に40日間をかける堂上蜂屋柿は、すべてが手作業のため、一人当たりの生産量が限られており、千個~二千個が1年で生産できる最大量である。さらに、商品なるのは全体の70%ほどで、またこのうち一個千円の価値のつく柿は、名人と呼ばれる人の作るものであっても20%から30%程度と言われ、加工技術の難しさと作業のわりに、十分な収入が得られないなど、多くの問題を抱えている。生産者の高齢化や新たな担い手が現れないなど、これから産地を維持していくため多くの課題があり、特に集積化されずに点在する圃場や耕作放棄された圃場の管理など今後産地として成り立っていくかが懸念される。