八列とうもろこし
2005/11/27
認定日 | アルカ:2005年11月27日 プレシディオ:なし |
生産地 | 北海道三笠市、岩見沢市などの空知南部と芽室町、 清水町などの十勝中西部など |
生産者 | 及川善志(三笠市)、川合拓男(芽室町) |
生産量 | 全体量は不明 |
生産時期 | 8月中旬~10月下旬 |
主な調理方法 | 焼いて食べる、粉にして各種料理に使用 |
問合せ先 | 川合農場 (所属CV名スローフード・フレンズ北海道) |
食材の特徴
「ロングフェロー」や「札幌八行」を中心とした硬粒の品種群で、粒列が八行で、穂はやや円錐形で太く、茎部から頂部に近づくにつれて細くなり、茎部の粒の配列がやや乱れることが特徴。糖分は少ないが、噛み締めたときに何とも言えない旨味と風味がある。醤油をつけて焼いて、独特の香ばしい香りを楽しみながら食べるのが美味。収穫後、すぐ甘みなど味が落ちてしまうので流通に向かないが、硬粒種のとうもろこしは乾燥させると実が硬くなり貯蔵性に富む。
歴史的、食文化的位置づけ
開拓時代、稲作のできない北の地で主食ないしは主食を支える穀物食材としてとうもろこしが栽培されていた。その頃、北海道に入ってきた品種のなかでも硬粒種の「ロングフェロー」と「ステフェンスワウシアカム」(札幌八行)は、北海道の気候風土に適し、明治38年に優良品種の認定を受ける。昭和初期のころは、軒下に干して乾燥させたもの石臼などで挽き、粉状にしたものをお米に混ぜ「トウモロコシ粥」にして冬場をしのいだ。
生産を取り巻く状況
明治時代のトウモロコシは約5万ヘクタールほどあったとされるが、昭和になり、ハニーバンダム-などのF1品種に取って代わられ絶滅の危機に瀕している。八列とうもろこしは収穫後、時間の経過とともに味が落ちることもあり、流通はほとんどしていない。生産農家の直売やインターネットの産直などで入手できる。上記生産地のほか、一部種苗会社で「黄八行ロングフェロー」という種子を家庭菜園向けに販売している。また、生のままの流通が出来ないので粉(コーンミールなど)にしたり、焙煎をかけお茶にしたり、加工品として少しずつ商品化が進んでいる。