花作大根
アルカ認定日 | 2005年11月27日 |
生産地 | 山形県長井市花作町 |
生産者 | 横澤芳一、遠藤孝太郎 |
生産量 | 50kg |
生産時期 | 11月中旬~12月上旬 |
主な調理方法 | 漬物 |
問合せ先 | ねえてぶ花作大根 代表 横澤芳一(SF山形) |
花作大根は小型ダイコンで、長さは根長約14~15cm、直径8cm、重さは500g程度で、普通のダイコンの約3分の1ほどの長さしかないことから「ねずみ大根」とも呼ばれる。聖護院だいこんに近い円筒形または徳利形をしている。生産量が大変少ないので「幻のダイコン」とも呼ばれている。肉質は硬く、甘みもあるが苦味があり生食には適しない。生育は遅く早晩生~晩生、収穫はは種後90日前後で、す入りは少ない。長漬用としては軟化しにくく、パリパリとした歯ざわりがあり、花作大根を最もおいしく味わえる調理方法は漬物である。
花作大根は、古くは上杉藩時代から長井市花作地区で栽培されてきた漬物用のダイコンとして伝えられ、独特の歯ざわりと長期保存が可能な事から重宝されてきた物である。上杉の殿様が領内巡回のおり、長井の花作に休まれたとき、ダイコンの漬物を献上したところ、それが大変お気に召され「これを花作大根と名付けよ」と命名されたといわれる。かつては置賜(おきたま・長井市を含む山形県南部地方)一円で栽培されたという有名なダイコンであった。
保存食原料として花作大根は広く作られていたが、冷蔵庫などの普及や保存技術の向上と食生活の変化により、昭和50年代には栽培する人もいなくなった。その後、保存されていた種子で、1980年に「まぼろしのダイコン」復活を願い、14戸の農家で「花作大根普及研究会」を設立し、地場産業振興を目指した。しかし、販路拡大に伴い生産量が確保できなくなったことや生産コストの上昇などが重なり、研究会は数年で解散。再び花作大根は途絶えようとしていたが、わずか一人だけが種を守る目的でずっと栽培を続けていた。2002年、その味が忘れられない遠藤孝太郎氏の提案で、花作大根の味の復活を目指して「ねえてぶ花作大根」を設立、「花作大根復活作戦」の活動を行っている。