赤ネギ

2008/10/31

アルカ認定日 2008年10月31日
生産地 茨城県東茨城郡城里町(旧 桂村)
生産者 木村 昊ほか 16名
生産量 約36トン
生産時期 10月中旬~3月中旬
主な調理方法 鍋物、酢の物
問合せ先 JA水戸農協 かつら営農資材センター
赤ネギ生産部会 部会長:木村 昊(きむら ひろし)(SF茨城)

 

食材の特徴

赤ねぎ(商品名:レッド ポワロー)または圷ねぎと呼ばれる。

植物学的にはユリ科ネギ属の在来種で自家採種である。 遺伝学的には葉鞘の軟白部が赤紫色になるのが顕著な特徴である。 全長およそ70cm、葉梢の赤紫部分がおよそ30m程度である。 根深白ネギに比べ甘みが多く、辛みが少ない上、 煮ると葉、葉鞘とも柔らかいため鍋料理の材料、 味噌汁の具として調法される。 近時はサラダ、焼きネギとしても調理され、 ホテルや料理店から珍重されている。

歴史的、食文化的位置づけ

明治時代から旧桂村圷(あくつ)地区で販売目的ではなく、 自家用として栽培されていた。 その当時は、 「圷ねぎ」という名前で親しまれ、 自家採種によって連綿と受け継がれ、 種子は門外不出とされてきた経緯がある。
旧桂村は那珂川に臨み、 肥沃な沖積土壌に恵まれており、赤ねぎの葉鞘部の発色は、 長年この地の土壌特性によるものと信じられてきた。 その鮮やかな赤い色とやわらかい食感を生かした、 鍋物、 ぬた、薬味などによく使われ、冬場の食生活に欠かせないものである。

生産を取り巻く状況

赤ねぎ生産部会に属する生産農家が抱えている問題点として、

①生産者が60歳~70歳の高齢者であり、 後継者がなかなか出てこないため、 持続的生産体制に不安がある。
②品種特性に伴う特異作型(仮植選別・長在圃期間)、 収穫労力負担等により生産コストの低減が難しい。
③種子流出により品種改良された銘柄産地が出現し、発祥の地としてのブランドが残るものの、 市場価格は低下している。

などが挙げられる。 今なお少数農家の自家採種、 選別固定化努力が続けられている赤ねぎは、 現状のまま推移すれば消滅の危機を迎える可能性がある。

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