サンマ漁における取組みについての発表 スローフィッシュ@ジェノバ

2019/5/13

スローフィッシュ@ジェノバで、サンマ漁師の中島さんが大日本水産会の岡本さんのサポートも得て、サンマ漁における取組みについての発表を行いました。日本のスローフードからは、渡邉めぐみと鎌田が同席しました。

サンマは太平洋の北半球側にしか生息しないため、ヨーロッパの人にはなじみがありません。なので、基本的なことも含めて、中島さんが丁寧に説明しました。惜しむらくは時間が足りなくて、質疑応答ができなかったことです。中島さんに続いては、トルコの漁師が、つづいてアメリカ東海岸のエビ漁師が発表しました。

以下、中島さんのお話し

サンマは5月から太平洋の日本沿岸を北上し、7月から南下する。300年前は巻き網漁であったが、流し刺し網になり、80年前からは棒受け網になった。棒受け網は、光に集まるサンマの性質を利用したもので、撒き餌が必要なく、漁具・漁法としては簡単で、魚を傷つけず、また適度に獲り逃しがあるので全群を獲ってしまうことがない、などすぐれた点が多い。最初は白い光で集め、赤い光に変えると水面上をジャンプし始めるので、網ですくう。

日本ではすべての漁師が漁業協同組合に所属し、さまざまな協働と調整が行われている。日々の漁でその日のうちに漁獲量等のデータを申告する仕組みになっていて、規定の漁獲量が守られている。ところが、公海上で日本の漁法を取り入れた中国、韓国、台湾の船が先取りしてしまうという問題がある。サンマの移動経路が東側にずれたこともあり、漁獲量は10年前の三分の一になってしまっている。

今は、北太平洋地域の関係諸国で、漁業に関する取り決めを調整して行う仕組みができつつある。北太平洋漁業委員会NPFCの締約参加国・地域は、カナダ、中国、日本、韓国、ロシア、台湾となっている。

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