サンフランシスコレポート第4弾!
サンフランシスコレポート第4弾!
残り少なくなってきました。
3日目の午前中は、「Real Food Fish」を訪問しました。
【Real Food Fishとは?】
Real Food Fishは、漁師と魚介類が好きな人たちのコミュニティです。目的は、漁師、魚介類、魚介類を食べる人たち、そして海自体が良い状態で居られるようにすることです。
このコミュニティでは、近くの海で、持続可能な方法で獲られた多様性のある魚介類をシェアしています。
第1弾で紹介した、モントレーベイ水族館のシーフードウォッチプログラムと協力して、
持続可能な方法で獲られた魚介類への理解と需要を上げることに尽力しています。
公式HP https://www.realgoodfish.com
【シェアシステムについて】
Real Food Fishのメンバーに登録すると、毎週地元の魚介類を届けてもらうことができます。
宅配前に、どのような魚介類が届くのかを知ることができるため、
苦手なものやアレルギー等があれば、のぞいてもらうことができます。
ホームページには、漁師さんの情報や写真も載っています。顔の見える関係のおかげで安心して購入することができます。
また、レシピや調理のコツも載っているため、初めての種類の魚介類でも、調理に挑戦しやすくなっています。
【BAY TO TRAY School プログラムとは?】
Real Food Fishでは、BAY TO TRAY School プログラム(Bay2Tray)というものを実施しています。
これは、カリフォルニア州の学校給食に、これまで捨てられていた地元産の雑魚(獲りたい種類ではない魚)を提供するものです。
目標は、ピザよりも魚タコスを子供たちが選ぶ日が来ること!
※ アメリカ全体では100万トンが雑魚として毎年捨てられています。
これまでに40,000食以上提供されていて、例えば、タコスやスープなどに魚を使っています。
また、給食に魚介類を提供するだけではなく、地元の漁師さんが学校を訪問します。
これまでに30以上の教室で授業を行っており、どのように魚が獲られているのかを子供たちに説明しています。
公式HP https://www.realgoodfish.com/bay2tray
【Bay2Trayのメリット】
漁師さん
→これまで捨てていたものを売ることができるので、収入が増加する。アメリカでは毎年6%漁師の数が減少しており、その原因は収入不足が大きいと言われています。
子供達
→栄養豊富な給食が提供される。また、まだまだお肉の人気が高いアメリカで、お魚の美味しさを伝えたいというBay2Trayからの意図もあります。
【アメリカの給食の現状】
現在アメリカでは、30%以上の子供たちが肥満に該当します。その一つの原因が給食とも言われています。
例えばカリフォルニア州では、金銭的に余裕のない家庭の子供達には無償で給食が提供されます。
しかし、州の財政に余裕があるわけではないので、給食1食あたりの予算はたった1.25ドルです。そのうち0.75ドルは牛乳に当てる必要があるため、食事に使える予算はたった0.5ドル。その結果、子供達のお腹を満たせるハンバーガーやパスタばかりになり、栄養バランスの偏った給食が提供されてしまうことが多いそうです。特に質の良いタンパク質が足りていません。
【感じたこと】
アメリカでは、日本と比較して魚のマーケットが小さいため、多様な魚へのニーズがそれほどない結果、雑魚が捨てられてしまっているのかと感じました。
このように、漁師さん・子供たち・環境といったすべてにとって良いシステムが作られることは、とても魅力的だと感じました。もっと多くの地域や国で導入されてほしい!
漁師さんの学校訪問は、日本でも行われているようです。私の小学校では、農家さんが来ることはありましたが、漁師さんが来ることはなかったので、
そのような機会が増えると魚や魚が獲られる背景への興味が広がるな、と思いました!
写真は、イワシの水揚げ後の様子です。
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