安家地大根
2005/11/27
認定日 | アルカ:2005年11月27日 プレシディオ : なし |
生産地 | 岩手県下閉伊郡岩泉町安家地区 |
生産者 | 安家地大根保存会他 |
生産量 | 約2000本 |
生産時期 | 収穫期は10~11月 |
主な調理方法 | 凍み大根、そばや”豆腐田楽”の薬味、干し葉汁 |
問合せ先 | J安家地大根保存会(所属CV名 岩手) |
食材の特徴
①鮮やかな紅い色(もしくは白・桃・紫色及び紅白)をしている。
②肉質が硬く繊維質に富んでいるため、貯蔵性に優れている。
③辛味が強い
④ビタミンC含有量が青首大根の1.5~2.0倍ある。
水分が少なくて固いので、青首大根と比べて寒冷地での貯蔵性に優れている。また、凍み大根や干し葉など、地域独自の食文化と密接な関わりがある。
歴史的、食文化的位置づけ
安家地区においては、戦前はほとんどの農家が地大根を作付けしていたが、戦後、種苗会社による種の販売が普及し、青首大根が全国的に広がる中で、地大根の生産は減少に向かっていった。専門家によると、肉質硬・有色の安家地大根は中国華北地方に由来するらしい。硬さを活かして凍み大根にしたり、鮮やかな色と辛みを活かして蕎麦や「豆腐田楽」の薬味にすることが多い。
生産を取り巻く状況
冷蔵技術や流通経路の発達により、生産・調理に手間のかかる地大根の作付けは減少している。生産者は高齢者がほとんどで、全て手作業での栽培であるため、生産規模拡大は難しい。また、現段階では系統選抜を行っていないため、安家地大根の中でも各生産者により、多少品質が異なっている。(系統選抜を行い、規格統一をするか、各生産者の個性的な地大根を残すか、判断が分かれている。)40代以下の世代では、安家地大根の特性を生かした調理方法を知らないためか、生産への意欲は低い。地元の子供たちにおいては、安家地大根は知っているものの、風土に根付いた特性や価値を十分理解しているとは言えない。