一吉紫芋
2017/10/16
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認定日 | 2017年10月16日 |
生産地 | 鹿児島県西之表市 |
生産時期 | 10月上旬~11月下旬 |
主な調理方法 | 和菓子、蒸し、揚げ、焼き、焼酎・こうじ発酵飲料の原料 |
食材の特徴
香辛料の一種である山椒は多くの日本料理の味付けに使われており、暑さ対策、下痢止め、咳止めなどの薬効成分があることから貴重な食材であった。現在、市場に出回っているほとんどの山椒は兵庫県養父市を中心に栽培されている朝倉山椒であるが、有馬山椒は有馬地方に自生している品種で、強い辛みが特徴となっている。
有馬山椒は日本料理で一般的な調味料として使われてきた。山椒の実以外の部分も、さまざまな料理に使用することができる。若葉はちょっとした汁物や味噌の味付けに合わせたり、焼き物としても使える。実の醤油煮は、日本酒との相性が良い。熟していない実は青山椒と呼ばれ、煮付けや漬物にも使われる。秋には完熟した実を顆粒にして鰻の蒲焼きにふりかけて食べ、完熟した山椒は七味唐辛子にも含まれている。「有馬煮」や「有馬焼き」といった「有馬」の名が付く料理には山椒が使われており、少し辛みのある味付けとなっている。
歴史的、食文化的位置づけ
鹿児島県、大隅諸島に属する種子島北部西之表市「さつまいも地域資源再生特区」で主に生産。一吉はこの紫芋が生産された最初の区画の名前である。外観が紅色で中身は濃い紫色をしており、健康成分のアントシアニンを豊富に含んでいる。「薩摩きんつば」の原料として使用されている。
生産を取り巻く状況
1990年頃、アリモドキゾウムシの虫害やでんぷん輸入自由化などの問題に直面し、この品種のほとんどが絶滅した。しかし、中小企業や和菓子職人の努力により、契約農家に委託した特区での生産を継続しており、現在では大手企業とも連携、産地形成に取り組んでいる。