今年の10月11日~14日、札幌で開く先住民族テッラマードレに関する英文ニュースをシェアします。
今年の10月11日~14日、札幌で開く先住民族テッラマードレに関する英文ニュースをシェアします。
記事の最後の参加申し込みに関するリンクに、日本語の記事があります。開催趣旨とともに、以下、転載します。
◆まずは日本語記事
「先住民族テッラマードレ アジア・環太平洋」が、2019年10月11日〜14日に北海道のアイヌ文化交流センター サッポロ・ピリカコタンにて開催されます。 このイベントをホストするのは、「アイヌ女性会議 メノコモシモシ」です。
アイヌの人たちがホスト役となり、アジア・環太平洋地域をはじめとした、全世界の先住民族を北海道へ招へいして、このイベントは開催されます。
メインテーマは、”先住民族のフードシステム:気候変動と持続可能性”です。パネルディスカッションや分科会を通して、先住民族の健康、教育、暮らし、自然、そして文化保全などの問題や課題を、「食」というファインダーを通して学び、意見を交換し合い、話しあっていきます。
若者、料理人、そして女性たちの役割というのも、このイベントで重視されるポイントの一つです。昆虫食や、どんぐりなど、先住民族の間では文化となっているもので、最近では未来食としても話題になるものも、多様なワークショップで扱っていきます。
「アイヌ女性会議 メノコモシモシ」は2017年4月に設立されました。その設立以来、スローフードと密に連携をとり、活動をすすめてきました。2017年10月には、Slow Food Nipponと共にAinu Food Festivalを開催し、成功をおさめました。2018年のTerra Madre Salone del Gusto 2018には、メノコモシモシから8名が参加し、フォーラムに参加したり、Terra Madre Kitchenでアイヌ食をデモンストレーション・披露するなど、その舞台を世界へ広げました。
日本には、2つの先住民族がいます。主に日本の北部に居住してきたアイヌ民族と、南の島々の琉球民族です。アイヌ民族は、1997年に初めて、二風谷ダム訴訟判決の際にはじめて公的に先住民族として認識されました。国が進めるダム開発へのアイヌの有志による粘り強い抵抗運動が、ついに先住民族としての認知を勝ち取ったのです。そして、2019年2月15日、アイヌ民族を先住民族として明記したはじめての法律が、閣議決定されました。この新法は一つの重要な一里塚となることでしょう。しかし、アイヌの人たちがこの法律を手放しで歓迎しているかというと、そうではありません。「先住民族の権利に関する国際連合宣言」で詳述されている「先住民族としての権利」が、その言葉すら使われず、きわめて不十分なものになっているからです。
スローフードとアイヌ女性会議、先住民族テッラマードレネットワークは、イベントへの参加希望者を募集します。
◆開催趣旨
持続可能な文明への転換のために、先住民族が継承する智慧と技、そして先住民族という存在そのものを見直すことが必要とされています。一方でアイヌをはじめとする世界の先住民族が、生きる基盤を根こそぎにされ、今も厳しい状況下に置かれている現状があります。
食は、日々の暮らしに不可欠であり、健康や環境、社会・政治・経済状況と密接につながっています。あまりに日常的なために見過ごされがちですが、食はさまざまな問題とつながる要であり、だからこそ食に焦点を置いた取り組みは、さまざまな問題の解決へとつながります。
2007年の先住民族の権利に関する国際連合宣言から12年。食を通じたアジア・環太平洋の先住民族のエンパワーメントに取り組むことは、先住民族のことだけにとどまらず、私たちの世界の新たな未来を切り開く一歩になると信じます。
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