大高菜
2010/10/23
認定日 | アルカ:2010年10月23日 プレシディオ:なし |
生産地 | 愛知県名古屋市緑区大高町とその近辺 |
生産者 | 荒木清一 |
生産量 | 200キログラム |
生産時期 | 収穫:12月~2月/旬の時期:12月~1月 |
主な調理方法 | もち菜、漬物、和え物 |
問合せ先 | 後藤毅(所属CV名スローフードあいち) |
食材の特徴
大高菜は漬け菜の一種で、伊勢菜より派生したものとみられる。特有の芳香とほろ苦い風味があり、草丈の長さは三尺(90cm)と大きい。葉、茎は繊維質が少ないため、やわらかく上品な舌触りで食べやすい。大高地区の郷倉前で栽培されたものは、他で栽培されたものよりも芳香があり、良質で成長が早いなどの特徴がある。また、他のアブラナ科と交雑することによって形質がかわりやすいため、種を生産するのにとても手間がかかる。
歴史的、食文化的位置づけ
知多郷史には慶長年間、大高藩主志水甲斐より毎年尾州藩に献上されたと記されており、当時伊勢参拝の折に大鷹の住人が持ち帰り栽培が始まったとある。江戸時代末の「尾張名所図絵(おわりめいしょずえ)」にも紹介されている。昔は塩漬けでよく食べられ、葉柄や葉の軸の部分が太く、多く、食べる時に歯切れが良いことが、漬物にしたときのウマミに関係が深いとされている。正月となると嫁に入った先へ、または親戚への贈物として正月の食膳には欠かせない餅菜の代わりとし有難がられていた。
生産を取り巻く状況
出荷用に栽培をしているのは荒木清一氏夫妻のみで「大高菜」の保護、生産、消費のための体制づくりが必要。市場にはほとんど流通していない。「一般に販売する際に、お雑煮や和え物、塩漬けに使う以外にこれといった調理法がない」、「野沢菜などの野菜とはっきりとした差別化ができないためなかなか-般に価値が理解されない」といった問題がある。新たな調理法やおいしい大高菜を使ったレシピなどの情報提供と共に、食材自体の伝統や価値を再認識してらう必要がある。原種を守っている農家は山口平太郎氏夫妻で、自家採種により庭先で保存しており、元となる原種の保護、またその持続的な生産も課題といえる。