えたりの塩辛

2005/11/27

認定日 アルカ:2005年11月27日
プレシディオ:なし
生産地 長崎県雲仙市小浜町、南串山町(橘湾沿岸地域)
生産者 三木直義ほか20名程度
生産量 0.7トン/年(認定時)
生産時期 9月~11月(現在は12月~3月)
主な調理方法 そのまま、焼く、調味料として
問合せ先 エタリの塩辛愛好会事務局竹下敦子(所属CV名スローフード長崎)

食材の特徴

原料であるカタクチイワシ(Engraulisjaponicus)は、主に煮干に加工され、日本近海で広く分布している魚。雲仙市橘湾沿岸地域では、エタリイワシ(エタリ)と呼ぶ。エタリの塩辛は、橘湾で巾着網(まき網)等によって漁獲した新鮮な原料が必須。塩とあわせ、稲わらをかぶせ、重石をして熟成させ、魚体表面に白粉が吹けば食べ頃となる。グルタミン酸を主にアミノ酸が豊富で、香ばしい匂いと共に、強烈な塩気、深い旨み、苦味・甘みと複雑な味を呈する。

歴史的、食文化的位置づけ

エタリの塩辛は明治時代の初期にはすでに食べらいたと口伝されるが、江戸時代に弱漁が行われていたことが古文書に記されていることから、当時から塩辛を漬けていた可能性もある。秋になると海沿いの漁家だけでなく、山の上に住む舟の乗り子たちも樽でイワシを持ち帰り塩辛を漬け、冬場の保存食として地域では欠かせないものであった。主食やおやつであったサツマイモとの相性はよく、塩辛の塩気がサツマイモの甘みを引き立て、より美味しく食べることができた。

生産を取り巻く状況

近年エタリの塩辛を漬ける人が少なくなった理由として、冷蔵庫が普及し保存食としての必要性が低下したこと、食材が豊富になり人々の嗜好も変化したこと、減塩の風潮が強くなったこと、作るのに手間と時間がかかることなどが挙げられる。さらに、漁業者数の激減、魚価の低迷など漁業を取り巻く環境が変化したことにより、原料となるカタクチイワシが確保されにくくなってきた。昔はどんなイワシも食用や肥料用として乾鍋に加工されていたが、今は脂のあるイワシは煮干加工に不向きとされ、概ね安価な養殖魚の餌として仕向けられれてている。そのため採算があわずに出漁を控えるケースも多く、原料確保は今後の課題といえる。

関連記事