札幌大球キャベツ

2015/1/30

アルカ認定日 2015年1月30日
生産地 北海道石狩市厚田地区、日高町門別地域、新冠町、札幌市清田区
生産者 JA北いしかり厚田支所 キャベツ部会、JAさっぽろ東経済センター
生産量 3.2ha 約210t
生産時期 収穫期10月15日~11月5日が標準
主な調理方法 ニシン漬け、いずしの材料、その他おひたし、ロールキャベツ、お好み焼きなど
問合せ先 スローフードフレンズ・北海道
(所属CV名:スローフードフレンズ・北海道 )

 

食材の特徴

1球当たりの重量は8~20kg、球径が40~50cm程度と極めて大型。通常の品種に比べて極めて大型である。葉数は一般品種とほとんど同等の70枚前後であり、その分だけ葉の一枚一枚が大型肉厚で、繊維質もしっかりしている。現在の寒球品種ではけっして出せない甘みと、漬け物にしても肉厚の葉の形状は崩れず、歯応えの良い食感を有している。独特の甘さやみずみずしさなどの特長を生かしてニシン漬などに利用されてきたが、そのまま茹でてお浸しで食べたり、ロールキャベツ、鮭のちゃんちゃん焼き、お好み焼きなど多彩な料理に適している。

歴史的、食文化的位置づけ

札幌大球は、明治初期に導入された外来のキャベツが土着順化した代表的な北海道の在来種である。北海道は冷涼な気候のため、農耕期間は4月下旬から10月下旬くらいまでの半年間である。このため、11月からの半年間はハウス等施設栽培を除いて農作物を生産することができず、冬場の食料、栄養を確保するためには加工・貯蔵に頼らざるを得なかった。そうした中で、札幌大球は、通常のキャベツのように軟らかくなりすぎず、肉厚の形状が維持でき、食感も良好であることから、ニシン漬けやいずしなど北国ならではの魚と野菜を組み合わせた漬け物の原料として、無くてはならない存在であった。同時に、冬場のビタミン源として北海道の食生活を支える貴重な存在であり、また、漬け物シーズンの到来を知らせる北海道ならではの風物詩であった。

生産を取り巻く状況

戦前(1935年ころ)には1,000haほど栽培されていたとされるが、1個の重量が大きく、作業負担が大きいことに加え、収穫期を迎える時期が秋遅く、雪が降るような時期にあたるため、茎部が硬化し切り離すのに大きな力が必要なことから、高齢化農家では労働的制約により断念する人も多い。
1989年(平成元年)以降の市場での取扱高を見ても1993年(推定で約15~20ha)をピークに生産量は漸減し、札幌中央卸売市場での取引価格も伸び悩んだことから、主産地の石狩市厚田地区では2007年の時点で15戸ほどあった生産農家が2013年は5戸に減少。そのほか道内では、日高町門別地域で2戸、新冠で1戸、札幌市清田区でわずかな生産に止まり、まさに消滅の危機に瀕している。

 

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