雪菜
2005/11/27
認定日 | アルカ:2005年11月27日 プレシディオ:なし |
生産地 | 山形県米沢市(旧上長井地区)、遠山町、古志田町、 笹野町 |
生産者 | 吉田昭市他10名 |
生産量 | 4,500キログラム |
生産時期 | 12月下旬~3月中旬 |
主な調理方法 | ふすべ漬け |
問合せ先 | 米沢市上長井雪菜生産組合(事務局:山形おきたま農協米沢支店内) (所属CV名 スローフード山形) |
食材の特徴
アブラナ科のツケナ(油菜・蕪菜)の一品種。米沢藩主(上杉鷹山公)が考え出し、栽培を進めたといわれている伝統野菜。一般的な秋野菜と同じ8月下旬から9月上旬にかけて播種するが、収穫は11月下旬に一旦畑から根付きの状態で抜き取り、別の場所に寄せ(床寄せと言う)、雪を待つ。気温・湿度が一定に保た雪中で成長し、花茎(とう)立ちした物を食用にする。湯通ししてから塩だけで漬け込む「ふすべ漬け」に利用される。
歴史的、食文化的位置づけ
雪菜は雪の中に閉ざされて生鮮野菜を入手することができなかった時代に、雪とうまく共存した野菜である。400年前、上杉家が米沢にやって来た際に、一緒に移入した野菜(長岡菜)がもとで、自然交雑の中から育種選抜された物が現在の「雪菜」になっている。米沢地方の方言で湯通しすることを「ふすべる」と言い、雪菜は「ふすべる」と独特の辛味があり、歯ざわりもシャキシャキした感じになる。米沢地方独特の郷土料理である「ふすべ漬け」を材料とした「冷や汁」は、正月の代表的な料理となる。
生産を取り巻く状況
降り積もった雪を掘り起こし、雪の中で力強く伸びた花茎(とう)の部分を収穫すると、床寄せした時に比べ、収穫量は三分の一から四分の一まで少なくなり、労力の割りに大変効率の悪い野菜である。豪雪地帯だけに、雪菜の収穫には業務用の大きな除雪機も必要となる。地区内では、米沢市上長井雪菜生産組合以外でも農地の所有者はほぼ全員が自家用野菜として多少なりとも「雪菜」を作付けはしているが、雪の中から掘り起こすと言う悪条件での作業や、「ふすべ漬け」をちゃんと作れないと言った理由から若い人達には敬遠され、作付面積も。年々減ってきている。そして、販売目的での生産組合員数は年々減少傾向にあり、高齢化も進んでいる。