甚五右ヱ門芋

2013/1/4

アルカ認定日 2013年1月4日
生産地 山形県最上郡真室川町大沢地区
生産者 佐藤春樹(一軒のみ)
生産量 栽培面積約50a、生産量およそ4000kg
生産時期 収穫9月末/出荷時期10月初め
出盛り10月中旬/旬の時期10月中旬
主な調理方法 餅と共に茹でたサトイモを搗き、固めたのを薄く切り油で 揚げ大きく膨らませせんべいに。芋煮、煮物、おでん
問合せ先 森の家:電話・ファクス 090-7795-2701(所属CV名:スローフード山形 )

 

食材の特徴

甚五右ヱ門芋は、山形県真室川町の消滅の危機に瀕した伝統的な在来種のサトイモの代表の1つである。茎部は緑、地際は紫がかる。小芋は通常の芋より細長く、皮の厚さも薄い。芋がまばらに付くため収量も3分の1。茹で上がると、きわめて軟らかく繊維のざらつきが少なく、まるで杵搗き餅のようなふわふわ、とろっとした食感で、里芋とは思えないなめらかさで絶品である。

歴史的、食文化的位置づけ

佐藤家の総本家は佐藤大和守信基(さとうやまとのかみのぶもと)で、現在も残る。その舎弟と文献に記されている佐藤大和守下野(〃しもつけ)が矢の沢の屋号、甚左エ門家の祖とされている。甚五右ヱ門芋はおそらく室町の後期ころから栽培されてきたのではないかと推測される。佐藤氏宅では粘りを活かし、昔から餅と共に茹でたサトイモを一緒に搗き、固めたものを薄く切り油で揚げ大きく膨らませせんべいなどにして食べたと言われ、地域で広く食べられてきた。

生産を取り巻く状況

地域では、おいしいサトイモということで、かつては広く栽培されてきた。佐藤信栄氏の曽祖父の時代には、春になると佐藤家のサトイモが美味しいと種芋をもらいに地域の人が多くやってきたという。 しかし、収量が現在主な品種となっている石川早生群に比べて1/3と低く、味の良いものを生産しようとすると土地を選ぶ必要があることなどから、しだいに生産が減少していき、現在では、佐藤信栄氏1軒になってしまった。

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