高原山椒
認定日 | 2020年8月31日 |
生産地 | 高山市(旧上宝村) |
生産量 | 現在は7.9トン、60軒の農家 (一時期は6.3トン、45軒の農家) |
生産時期 | 8月上旬に収穫 |
主な調理方法 | 一般的な山椒と同様 |
問合せ先 | スローフード飛騨高山 |
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷(旧 上宝村)標高約800mで栽培される山椒の葉と実。一般的な山椒に比べ、実が小ぶりで深い緑色をしており、大変香りが良く、長期保存も可能、他産地のものに比べてフェランドレン成分(ペパーミントの様で、わずかに柑橘系の香りを帯びるとされる)が多く含まれるため品質の高さが評価されています。この地域は、標高の高さで山椒の天敵となるアゲハ蝶の幼虫がいないことから現在も有機栽培が守られ、接ぎ木による増殖で守られた地域独自の優良系等の山椒でもあり、江戸時代、飛騨群代が徳川将軍に献上した記録も残るなど、代々にわたりこの地に自生する香りの強い個体を選抜し、接ぎ木による増殖で由緒正しいものです。
江戸時代、飛騨群代が徳川将軍に献上した記録も残るなど、由緒正しい産品ではありますが、山間の小さな地域ゆえ、京都の老舗が時季には出張所を置いて仕入れるほど評価が高いにも関わらず、長い間、原料供給地に甘んじる実状であったようです。 昭和41年には「高原山椒=たかはらさんしょう」と言う呼称で、高原山椒組合ができたものの、そんな村の現状にあきたらず、粉山椒の生産者、神埼義一、展子さん夫婦により生産から加工まで一貫生産する「飛騨山椒」と言う会社の設立により、一時は「飛騨山椒」も登り調子であったが存亡の危機に陥る。 この時、手をあげたのが、現在の生産者である内藤一彦さん。 平成18年4月に後を継ぎ、山椒農家の目減りや、過疎化問題を抱える当地で地域おこしを兼ね山椒の復刻と生産者に取り組み続けています。
現在は(有)飛騨山椒の内藤一彦氏による献身的な活動により、近年では、農水省主催のディスカバー農山漁村の宝で優良事例に選ばれ「特別賞のチャレンジ賞を受賞」するなど、主に関東エリアを中心とした販路の拡大で地域の活性化、高原山椒の復活が行われてもいます。 とは言え、内藤さんも、さらなる過疎化の問題を危惧されて続けており、いつまたその危機を迎えるなどもわからぬ現状です。