札幌黄タマネギ
2007/3/8
認定日 | アルカ:2007年3月8日 プレシディオ:なし |
生産地 | 北海道札幌市とその近郊および、岩見沢市、北見市など |
生産者 | 大屋久(札幌市農業協同組合タマネギ部会長)他33戸 |
生産量 | 500トン |
生産時期 | 9月上旬~中旬 |
主な調理方法 | 煮込み料理、オニオンスライス、揚げ物、漬物など |
問合せ先 | 札幌市農業共同組合、札幌農業支援センター、有機野菜「アンの店」(所属CV名スローフード・フレンズ北海道) |
食材の特徴
国産品種たまねぎのルーツとされる札幌黄は、他の玉ねぎよりも肉厚で、食味の良さ、柔らかさが特徴である。北海道産の他品種(F1)は糖度が9~10度程度であるが、札幌黄の糖度は13度と大変甘く、フラクトオリゴ糖も多く含まれる。さらに、熱を加えると甘みと柔らかさが増し、非常に美味である。しかし、形質が不揃いで病気や衝撃に弱く長期の保存が利かない、など作付けが難しいとされる。
歴史的、食文化的位置づけ
北海道のタマネギは明治11年のウィリアム・P・ブルックスによる「イエロー・グローブ・ダンバース」栽培から始まった。札幌黄の先祖はおそらく米国からもたらされた「イエロー・グローブダンバース」であり、ブルックスの持参した種子から今日に至るまで連綿と連なっている物と推察される。「札幌黄」という名前は明治38年刊行の北海道農事試験場報第1号に記載されたのが初めてである。札幌の丘珠地区(昔からのタマネギの産地)には醤油漬けなど漬物料理が古くから伝えられている。
生産を取り巻く状況
在来種である「札幌黄」はその食味の良さの反面、長期保存が利かない、病気にも弱いなどの欠点があり、さらに札幌市の都市化や品種改良によって生まれた生産効率がよいF1玉ねぎの登場により、1975年以降生産が急激に減少した。作付けが減り、なかなか市場に流通することがなくなり姿を消してしまった札幌黄は「幻の玉ねぎ」と呼ばれるようになった。今後、生産上の問題点をどう乗り越え、生産量を増加させて行くか、消費者に対しては形は不揃いだが、味が良いということを理解してもらうことが課題である。