短角牛
2005/11/27
認定日 | アルカ:2005年11月27日 プレシディオ:なし |
生産地 | 岩手県岩泉町、山形村、浄法寺町、安代町、青森県七戸町など南部藩の山村地域および北海道えりも町など南部藩の流れをくむ地域 |
生産者 | SF岩手:合砂哲夫/SFフレンズ北海道:高橋裕之ほか |
生産量 | 年間約8,000頭(北海道は300頭前後) |
生産時期 | 生後20~30ヶ月(適期は25ヶ月前後) |
主な調理方法 | ステーキ、焼肉、たたき、短角べっ汁など |
問合せ先 | JA新岩手短角牛肥育部会/えりもビーフ高橋ファーム(所属CV名岩手/フレンズ北海道) |
食材の特徴
松坂牛などの銘柄肉で有名な黒毛和牛肉は、弾力がありきめ細かくて締まった肉質で、赤身の中に脂肪が霜降り状に混ざり、口の中でとろけるような柔らかさが特徴である。これに対して短角牛肉は低脂肪でたんぱく質が多く、グルタミン酸等のうまみ成分をたくさん含む赤身肉が特徴である。また、体内で脂肪を燃焼させるアミノ酸(Lカルニチン)を多く含み、噛むほどに味がでて、牛肉本来の味わいを楽しむことができる。また、寒さに強く、放牧に適し、子育てが上手という特徴がある。
歴史的、食文化的位置づけ
旧南部藩(岩手県、青森県、秋田県の一部)で物資の運搬用に飼われていた南部牛に由来する。南部牛は三陸沿岸の海産物や塩、鉄などを内陸に運び、内陸から米や酒、生活用品を運んでいた。明治4年6月に岩手県にアメリカからショートホーン種(短角種)が導入されると、南部牛との交配が進み、大型化が進んだ。しかし、ホルスタイン種やエアーシャー種が主流となって行き、南部牛が次第に減少していく。昭和29年に「日本短角種」として統一され、以降、肉牛用として改良が重ねられ現在に至る。
生産を取り巻く状況
日本短角種の飼育方法は夏山冬里方式と称されるもので、母・子牛とも春から晩秋まで草地や林に放牧して子牛の育成と自然交配による繁殖をおこない、冬期は里の農家で飼育される。こうした飼育方法は、北海道や北東北の厳しい自然条件と社会・経済条件に適応するように、地域の人々によって長い年月をかけてつくり上げられてきた。しかし、牛肉輸入自由化以降、短角種の生産は低迷を続けており、現在、生産は北東北・北海道のごく一部の地域に限られ、飼育頭数も約1万頭(平成14年)まで減少し、日本の肉用牛総頭数の1%にさえ満たない状況となっている。