うご

2021/11/4

登録日 2021年10月20日
生産地 京都府宮津市および伊根町の一部地域
生産量 年により豊凶の差が激しいため不明
主な調理方法 生姜醤油で食べたり、白和にする
食材の特徴

「うご」とは、京都府丹後地域での「エゴノリ」の呼び名です。紅藻(海藻)そのものと、寒天状態にしたもののどちらもを、「うご」と呼び、宮津市や伊根町の一部地域で利用されています。
丹後の沿岸域の一部では、毎年7月頃になるとエゴノリ漁が解禁されますが、豊凶の差が激しいエゴノリは、たくさんとれた年に乾燥させて保存しておき、トコロテンのように煮固めて寒天状にして食べます。トコロテンと違うところは、煮出した海藻を濾さないところです。 エゴノリを活用した食品としては、新潟の「いごねり(えごねり)」や、福岡の「おきゅうと」がありますが、海藻を濾すか濾さないか、切り方などがそれぞれ異なり、この地特有の食品と言えます。

<作り方>
①漁獲したエゴノリは付着した異物を手で取り除き、海水がついたまま乾燥させる。
②乾燥したエゴノリについた貝などを木槌をつかって取り除く。
③エゴノリをお湯で煮溶かす。
④煮汁を冷却すると「うご」のできあがり。

乾燥エゴノリは基本的に販売されておらず、煮固めた状態のうごが、地元の鮮魚店やスーパーで僅かに販売されている程度です。

歴史的、食文化的位置づけ

うごは、この地域では祝い事や仏事の際には必ず食卓にのぼる、大変貴重な伝統料理です。

生産を取り巻く状況

うごは、年によって豊凶の差が激しく、全く生育しない年もあります。また、場所によっても生育状況が異なります。漁期は、漁業権行使規則で定められた期間である5/1~8/31が採捕期間ですが、伊根では基本的に7/1~採捕可能としており、毎年、各浜の漁師が漁期前に資源状況をみて話し合い、浜毎に開始日を決めています。(浜(地区)によって資源状況が異なるため)資源状況が悪い場合、禁漁になる年もある。

ほとんどが自家消費向けで漁協に出荷しないため、水揚量の把握は難しいですが、現在、宮津市と伊根町にそれぞれ15名ほどずつ採取者がおり、全体でも30名程度と、非常に少ない状況です。また、採取する漁業者の減少と高齢化が進んでいます。

加工販売に関しても、漁業者のうち1名が自ら採取したエゴノリを加工して地元スーパー(宮津市内)へ少量卸したり、“カントリーフレンズ(60代以上の地元女性数人からなるグループ)”が宮津市の養老支所の漁業者からエゴノリを購入して加工、地元スーパー(宮津市内)へ少量卸している等、非常に小規模で行われています。

 

関連記事